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伝わる民話 霧のセント・マイケルズ・マウントSt. Michael's Mount  [英国 街・都市・遺跡 巡り]

4月中旬に2泊3日で、コーンウォールを訪れた時のことを書いています。
1日目、ロンドンから5時間ほどかけて、セント・マイケルズ・マウントSt. Michael's Mountに到着。

お城の見学の続きです。

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お城の中の教会。右側に、聖ミカエル像。
こぢんまりして、とても静かな落ち着いた空間。

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パイプオルガン。
1786年にTruroの議員だったJohn Lemon氏 のためにロンドンの自宅用として作られた。彼はアマチュア音楽家で作曲家でもあったが、夜中もオルガンを弾き続けたため、隣人から苦情が出て、彼の友人のコレクターであるJohn St Aubyn氏に売却。このオルガンは、今も、とても良い音色だそうです。(HPより)

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教会への入り口。人ひとり通れるくらい、小さいです。

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1700年代のイギリス民話Jack the Giant Killer『巨人退治のジャック』が、ここのお話だという説があります。北欧起源だという説もあり確かなことは不明。これは有名な「ジャックと豆の木」のお話よりも前から伝わる民話だそうです。

調べて行くと
"「巨人殺し」の(ユニオン)ジャック―民衆ヒーローの暴力性に関する覚書" 佐藤 和哉 (日本女子大学英文学科教授)という論文にたどり着きました。
**現時点で公に出ている情報です

とにかくジャックが、次々と巨人を倒していくというお話だそうですが、この民話に対する独自の見解なども記されていて興味深かったです。民話といっても、この時代のコーンウォールとウエールズの関係性(イングランドはウエールズを見下していたらしい)や、時代背景(英国が負け知らずでどこまでも進んで行った頃)などを反映しているんだなぁと、いろいろ考えさせられました。

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こちらには庭園があるのですが、この時はまだ準備中。

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教会からまたお城の中へ。
The Map Roomで興味深かったのは、このコルクで作られたセント・マイケルズ・マウント。精密で美しい。
49年間仕えた執事さんが、シャンパンコルクで制作したものだそうです。でもどのくらいのコルクを使ったのだろう、、お城のご主人様がそれだけのシャンパンを飲まれたということですね、、。

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こんな美しい絵もありました。これ、好きだなぁ。
日本の甲冑も飾られていたのですが、写真を撮らず。

貴族のセント・レヴァン男爵 (Baron St Levan)家 が代々ここに住み、現在も、その家族が住んでおられるそうです。

”初代男爵の長男ジョン(1857–1940)は英国陸軍軍人で第一次世界大戦に従軍"
”4代男爵ジョン(1919–2013)は、ケンブリッジのトリニティ・カレッジ在学中にダイナモ作戦発動を知ると、大学を中退して友人らとともにダンケルク沖合へ赴き、いわゆる''ダンケルクの小さな船たち (Little Ships of Dunkirk)''の士官候補生として救命活動に従事した”(ウィキペディアより)
こういうのを読むと、遠いようで近い。

ここが代々の邸宅って、すごいなぁ。現在、島には30数名が在住。

セント・レヴァン男爵家のモットーは、『自分に厳しく(In Se Teres)』

こういう家訓って、本当にあるんですね!
調子に乗って、面白くて楽しい家訓を作ってみたいと考えたのですが、良い案が浮かばず。。

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帰りは、こんなボートで。

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ずっと雲がかかって霧雨も降りましたが、それが、セント・マイケルズ・マウントらしい姿のような気がして、とても印象に残りました。美しいところでした。

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